第30章 浪速のお笑い軍団
梅雨明け。
本日は快晴なり。
そして...
「あぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!」
絶叫する少年が一人。
毎度お馴染みの寝坊常習犯赤也と、
「センリ、全速力!」
「アゥオッフ!」(任せとけ!)
「ヒーコヒコ...」(赤也も懲りないね...)
ウインディに跨がるフェリシアとそのパートナーフィアンナ。
何時もの如く柳から遅刻連絡を受け、只今通学路を爆走中なのである。
因みに、本日もいつぞやの番外編(第8章 切原家の朝参照)と同じような起こされ方だったらしい。
「時間無いな...こうなったらセンリ、高速移動!」
「アウオーン!」(了解だぜ!)
「うぎゃああああぁぁぁぁ!」
F-1も真っ青な速度で走るセンリ。
しかし、この走りを見て目をキラキラさせていた人物が居たことにフェリシアもフィアンナもそしてセンリも、気付くことは無かった。
一方その頃リッカイ学園正門前。
「ごめんなぁ幸村クン、突然連絡寄越して」
「いや、此方もそろそろ練習試合でも組もうと思っていたんだ」
幸村の目の前には、黄色と黄緑色のジャージを来た集団が。
「...ところで白石、聞いていたより一人足りないようだが?」
「それがなぁ、金ちゃん、降りる駅間違うてしもてなぁ......」
柳の疑問に、白石と呼ばれた少年は苦笑いしながら答えた。
「『走ってくから大丈夫や~!』って連絡は貰うたから多分大丈夫やと思うんやけどな...ところで、そっちも一人足りんとちゃう?赤也クン居らへんやん」
「あぁ、赤也なら寝坊だ。今、マネージャーに迎えに行ってもらっている」
「マネージャー?柳クン達んとこ、マネージャー居ったんか?」
「最近入ったんだ...ほら、噂をすれば来たようだよ」
「は?......は?!」
幸村の指差す方向を見た白石はすっとんきょうな声をあげた。
何故なら...
「ごめん!遅くなった!」
「ワオーン!」(到着だぜ!)
立派なウインディが全速力で走ってきたかと思うと、白石達の前で止まったからだ。