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蒼い月

第27章 過去の幻


フェリシアとフィアンナが爆発源へとたどり着いたが、爆発が起こったと思われるその場所には。

「何、これ......」

その場所でフェリシアは絶句していた。
その場所に居たのは、予想外なモノだった。

「ヒコ...」(これって...)

肩に乗るフィアンナも同様だった。
彼女らの目の前に広がっていたのは、


































ボロボロになり、既に虫の息状態の『ポケモンのような別物のイキモノ』だった。




















目の前のポケモン達に声も出ないフェリシアとフィアンナ。
この光景にかつてのおぞましい記憶が脳裏に過る。

(...いや、今はこのポケモン達の手当てだ。この子達が『あれ』の被害者なわけない...絶対に......)

嫌な記憶を振り払うように首を振るフェリシア。
まずは手当てと、足下に倒れていた一匹のポケモンに触れる。が、

「...っ、そ、そん、な......」

その子は既に息を引き取っていた。
呆然としながら回りを見渡せば、他のポケモン達も、既に息絶えていた。

「............」











あぁ、どうして、こんな所で、あんなことを思い出してしまうのだろう


もう、忘れたと、そう思っていたのに











「............」

無言になるフェリシアの後ろに現れる複数の人影。
人影が纏う服装には「D」のロゴマーク。

「お、やっぱり出てきたぞ!」
「一人でノコノコと、俺達も随分舐められたもんだな!」
「さぁ、お前のポケモン、全部寄越せ!」
「............か、」
「あ?んだよ、さっさt「お前達が、こんな事をしたのか」な!?」

現れたデスサイズ団に無表情で淡々と問いかけるフェリシア。目元は影になっていて見えない。

「あ?んなこたどーだっていーだろ!」
「俺達はゴミ処理とブレーンのポケモンを捕まえるのが仕事だからな!」
「......ごみ?」
「あぁ、お前の足下に転がってるのだよ!」
「『失敗作』を餌に、ブレーン達を誘き出せとの『ミスターS様』の御命令だからな!」
「...!」

『失敗作』、その言葉も何度も聞いてきた。そして、『ミスターS』。


フェリシアの中で、何かがプツリと音をたてて切れた。
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