第24章 良い報告と悪い報告
「そー言えば、バトルフロンティアのイベントって何時やるの?」
「今月末だって。場所は確か...セイガクシティだったかな」
「セイガクか...」
「フェリは挑戦者としての参加だっけ?」
「うん。だって私は挑戦し続ける側でいたいから」
「フェリらしいね。君とのバトルが今から楽しみだよ」
「私も」
先程までの殺伐とした空気は何処へやら。
二人の話はお互いの近況報告へと変わっていった。
「...チッ、気付かれたか。流石国際警察、情報網は半端じゃないな」
何処かの真っ暗な部屋の一室で声が響く。
「しばらく大きな動きはしないよう通告しておこう。折角の計画が台無しだ」
声の主の手にはフェリシアの顔写真が握られている。
「まさか彼女に国際警察とのパイプがあるなんて大誤算だったな...全く、これ以上計画邪魔されるのも困るんだよね」
手にしたフェリシアの顔写真がぐしゃりと握り潰され、ゴミ箱の中へと消えていった。
「嗚呼、こんな時こそあの子に癒されたいな...全く、あの子は一体何処へ行っちゃったんだろう?」
声の主は暗がりの中へと消えていった。
その直後、稲光と共に雨が降り始める。
それはまるで、何かの始まりの合図のようだった。