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蒼い月

第3章 遭遇


研究所に入ってすぐの事だった。

「モー」
「ふぇ?」

聞き慣れない鳴き声がした方を見ると、精羅の頭の上に一匹のポケモンが乗っていた。

「え、モクロー?」
「あぁ、この研究所にいる子だよ。ちょっと放浪癖があるけど基本的にはいい子なんだ」
「なんだか随分と精羅さんになついてるようですね」
「元々人懐っこいけど、初対面の子の頭に乗っかるのは初めてかなぁ」

精羅の頭に乗っているモクローはとてもリラックスしたような表情をしている。

「ねぇ精羅ちゃん、このモクローを連れてってあげてくれないかな?」
「え?」
「この子はすごく君になついているみたいだし、まぁ君が他のポケモンがいいなら仕方ないけど」
「...わかりました。私モクローのトレーナーになります!」
「本当かい!」
「うん、それに私、草タイプのポケモンが欲しかったの!」
「そうかい、それじゃ精羅ちゃん、モクローをよろしくね」
「はい!よろしくねモクロー!」
「モークロー」(よろしくー)

精羅がモクローと触れあっている中フェリシアは隅っこで蹲っている一匹のポケモンを見つけた。

「白波博士、あの隅っこにいる子は?」
「あぁ、ヒノアラシだよ。最近研究所に来たばかり何だけど、臆病な性格でね、どういうわけかいつも近寄ると火炎放射してくるんだよって、え、フェリちゃん、危ないよ!」
「大丈夫だよ白波君、あの子には何か考えがあるんだよ」

先程火炎放射を浴びせてくると言われたヒノアラシに近づくフェリシアに駆け寄ろうとした白波博士だったがプラターヌ博士に止められた。

「あのヒノアラシって確かトレーナーに攻撃ばかりしてくるやつじゃ...」
「あのおなごも黒焦げになってキレるじゃろうな」
「ヒノアラシって可愛いからゲットしようとか思ってんじゃねぇの?」

くせっ毛の少年と銀髪の少年、赤毛の少年がひそひそと話す中、フェリシアはヒノアラシに手を伸ばした。
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