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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第68章 後の祭り




(実技テストの最後、僕を投げたのもそうだけど…かっちゃんすごいな…向さんを軽々とあんな投げられるなんて…僕がフルカウルで投げたらどこまで投げられるんだろう…?いや、そもそもダメじゃないか友達プールに投げちゃ!?でも…向さん楽しそうだよな…)


『わあ待って勝己もういい投げなくていい、もういい、もういい』


わあああああ、とまた叫ぶ彼女をプールへと投げ飛ばした爆豪に、わなわなとしていた飯田が食ってかかる。


「やめたまえ!!向くんが可哀想だろう!!!」
「あァ!?あいつが楽しいとかほざくからだろうが!!」
「リクエストにお応えするただの良い奴じゃないか!!しかし…っ楽しくとも、危険な飛び込みはやめたまえ、遊ぶならもっと軽々しく触れない…いや違うぞ、僕たち男子チームは体力強化の為にここにいるんだ。君も訓練に参加したまえ!」


爆豪の方からプールサイドにあがるとまた放り投げられることを危惧した向が、水中を横断して女子たちの花園へ戻っていく。
そんな彼女を観察しながら、未だ(僕が投げたらどのくらいの地点まで投げられるかな)なんて事を考えていた緑谷の考えを察してか、爆豪が睨みつけてきた。


「なんだその不満そうなツラは…!?」
「えっ!?な、なんでもないよ!!」
「気色悪い目で見てんじゃねぇぞ、てめェが投げたところで俺より飛ばせるわけねぇんだよ!!」
「向くんは飛ばすものじゃない、考え改めるんだ爆豪くん!!」
「おいクソデク!なんなら今すぐ白黒つけるか、アァ!?おい深晴!!もっかいこっち来い!!」
『えっ、絶対嫌だよ。一回や二回ならまだしも』
「爆豪、おまえ今日向に触りすぎ」
「切島くんの言う通りだよ、向さんももっとちゃんと嫌がらないと!」


今度は緑谷と喧嘩をし始めそうな爆豪の言葉を聞き、飯田が「フム…」と腕を組んだ。


「確かに、訓練ばかりじゃつまらないな」
「えっ?」


皆!と休憩中の男子たちに向かって、飯田が声をあげた。
何やら面白そうな提案を聞きつけた女子たちが男子側へと寄っていく。
壁際にもたれかかって、爆豪と向がじゃれ合っているのを眺めていた轟は、歩いてきた向をじっと見つめた。
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