第67章 フライング夏休み
雄英高校は一学期を終え、夏休みを迎えた。
夏休み開始から二日経った午前中。
黙々と筋トレを続けていた緑谷の自宅を訪ねてきたのは、珍しい二人だった。
「峰田くん、上鳴くん…?」
扉を開いた緑谷の目の前に立っていたのは、私服姿の峰田と、上鳴だ。
何か約束でもしてたっけ?と考え込む緑谷に、明るい笑みを浮かべたままの二人が突然の提案をしてきた。
「よっ!緑谷!」
「プール行こうぜ!」
「プール?」
「そっ!林間合宿の前にさ!」
一緒に訓練しようぜ!!
爛々と目を輝かせ、「断るわけねぇよな!?」という期待を孕んだ視線を一身に受けた緑谷は、キョトンとした顔のまま、大きな目で瞬きをした。