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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第57章 学生の本業




「でさ!どうする?勉強会!爆豪は?」
「パス」
「えぇえ教えてくれよぉぉ、才能マンだろおまえ、アホな俺たちに救いの手を!」
「どうせ今から何やったっておまえは最下位だろ、教えちまったら俺の名が廃るわ」
「みみっちぃ!!そこをなんとか!!」
「誰がみみっちだ、キショい呼び方すんなや」
「そんなラブリーなあだ名で呼ぶわけねぇだろ、自惚れんな地獄パンダ野郎!!」
『地獄にパンダ居るんだ、なら地獄も悪くないな』
「「いるわけねぇだろ!!」」


黙々とお好み焼きを食べ続ける切島に、また上鳴が首をかしげる。
会計を済ませ、4人で近くの駅まで行き、解散。
2人きりになったタイミングで、上鳴は切島が物憂げな理由を聞いてみることにした。


「…あー……。爆豪さ、なんか野生の勘?的なもん備わってるよな。案外マジでパンダなんじゃね?良くわかんない感性で物見てるっつーか。普通わかんないってあんなん!大丈夫大丈夫!」
「…ん?はは、なんだよ上鳴。フォローならいいって。元々あの2人あんな感じじゃん。今さら落ち込んだりとかしねぇから」
「落ち込んでんじゃんよ!」


電車のつり革に両手で掴まったまま、腰をしならせてど突いてきた上鳴に、切島が「ウッ」と声を漏らす。


「…落ち込んでないって。ただ、そーいうもんだよなって感じ」
「ヘェ〜」
「…なんだよ」
「フォ〜ン」
「腹立つな、なんだよ!」
「俺、結構切島推しよ?」
「なにそれ気色悪!!」
「いやマジおまえも自惚れんなぶちのめすぞ、そういう意味じゃねぇわ。おまえといる時の深晴も楽しそう!」
「……あー。ははっ、サンキュー」
「うわぁ響いてなさそ」
「だって俺の体育祭の試合すら、あいつら2人で園庭に居て見てないらしいし」


向は興味ないんだよ、俺には。
なんて言う切島に、上鳴は「は?」と素っ頓狂な声をあげる。


「俺深晴と一緒におまえの試合見たよ?」
「……いや、いいって別に!フォローしてくれなくたって」
「マジだって。あいつと一緒に見たもん、覚えてるよ」
「……本当に?じゃあ爆豪が嘘ついたってことか?」
「アレじゃね?腕相撲のことじゃなくて?」
「…………あー、そっちか…!俺ずっと向は俺の試合見てなかったんだと思ってた…!」

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