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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第55章 友達リクエスト




「「アッハッハッハマジか!!マジか爆豪!!」」


職業体験が終わって、週明けの月曜日。
登校してきた爆豪のヘアスタイルを見て、切島と瀬呂が腹を抱えて笑い転げた。
まるでサラリーマンのようにピッタリと8:2の割合で髪をキッチリ左右に分けた爆豪が、その二人を見てわなわなと手を震わせる。


「笑うな!クセついちまって洗っても直んねえんだ、おい笑うな…ブッ殺すぞ…!」
「やってみろよ8:2坊や!!」
「アッハハハハハハ!!」


目に涙を浮かべ、ひーひーと笑いすぎるが故に酸素が足りなくなってきた切島と瀬呂。
爆豪の沸点を超えると同時、彼の毛髪がいつも通りに爆発したヘアスタイルへと復活し、それを見た二人はなおさら「ひゃーっひゃっひゃっひゃ」と笑い転げる。


「へえー敵退治までやったんだ!うらやましいなあ!」
「避難誘導とか、後方支援で実際交戦はしなかったけどね」
「それでもすごいよー!」


職業体験での出来事をそれぞれが報告し合う、和気藹々とした雰囲気の中。
話は自然と、ニュースでも取り上げられていたヒーロー殺し逮捕劇へと流れていった。


「でもさあ、確かに怖えけどさ。尾白動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか、かっこよくね?とか思っちゃわね?」
「上鳴くん…!」
「え?あっ…飯…ワリ!」


慌てて口を噤む上鳴に、飯田は包帯がまだ取れないままの左腕に目線を落として、言葉を返す。


「いや…いいさ。確かに信念の男ではあった…クールだと思う人がいるのもわかる」


ただ奴は信念の果てに「粛清」という手段を選んだ。
どんな考えを持とうとも、そこだけは間違いなんだ。


そう言って、飯田は右腕を大きく縦振りし、自分の座席に座って飯田に視線を向けていた向へと、いつも通り声を張る。


「俺のような者をもうこれ以上出さぬ為にも!!改めてヒーローへの道を俺は歩む!!!」
「飯田くん…!」
『ははは、何で私に言うの?』
「さァそろそろ始業だ、席につきたまえ!!」
『席についてるし。何で私に言うの?』


なんか、すいませんでした。
としょげる上鳴に、じっと向が視線を向ける。


「……ん?どした?深晴」
『………いや』


真顔で見つめてくる向に、上鳴ははて?と首をかしげる。


『なんでもない』

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