第48章 いつもお世話になっております
No.1になる為に。
家族をないがしろにしてきたはずの男が今目の前で。
息子の授業参観に行く為に。
No.1になろうとしている。
『……わぁ、思い切りましたね』
「ヒーロー殺しは必ず俺が捕まえる!!功績を挙げ、絶対に他の事務所には譲らん!!!」
きっとそういうやり方でしか、もうこの人は家族に向ける顔も、向ける背中もないのだろう。
けれど失ったものを取り戻そうと必死で、たぎる炎を瞳の中で燃やし続けている姿は、とても力強く、抗いがたい魅力に溢れている。
『…私、知ってますよ』
トップヒーローの気迫。
そんな眼光を称えるエンデヴァーに、向は少しだけ圧倒されながら、少しだけ微笑んで。
彼の問いかけに答えを返す。
『俺がNo.1になる……その気持ちを伝えたいなら』
『俺を見ろ、って言えば良いんですよ』
自分に向けて、その言葉を発した彼の眼光を思い出した。
勝利を追い求める、荒々しい炎を宿した彼の眼を思い出し。
そして、次に。
「告白だ」と言葉にしてくれた彼の事を思い出した。
(ーーー……天哉、大丈夫かな)
彼は
今頃
どうしているだろう