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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第46章 公私混同etc




目をひん剥き過ぎて充血し始めた常闇と口田が酷使し過ぎた両目を押さえ始めるのと同時、荒々しい所作で爆豪が二人のテーブルの横に現れた。


「はよ食えや」
『あれ、もう食べ終わったの?少し待って』


向を急かす爆豪を横目で見て、轟が少し表情を曇らせた。


「…声かけられるの、待てなかったのか」
「あぁ?話しかけてんじゃねぇよ」
「おまえがいつも深晴より食べ終わるのが早いから、終わったら迎えに行くってこいつは言ったんじゃないのか」


急かしてやるなよ、と鬱陶しそうな視線を向けてくる轟の言葉を聞いて、爆豪は更に眉間に深いシワを作った。


「おまえ今何つった?」
「…急かすな」
「んなこたどうだっていいんだよバカが、こいつのことだ!!!」
「……?……深晴」


ビシャアアと雷に打たれたような衝撃を受ける爆豪に、向が急いで食事を終わらせて、声をかけた。


『行こうか、ありがとう焦凍。ははは、急かされるの慣れてるから』
「そこは急かされてねぇって言えや!!」
『急かしたじゃん。行くよ』
「深晴」


返信、待ってる。
意味深な言葉を彼女にかけた轟と、特に聞き返すこともなく気まずそうに『あー…わかった』と苦笑いする向を交互に見て、爆豪がプルプルと震え始めた。
食堂を出たところで、「返信ってなんだ」と聞いてくる爆豪の吊り上がった目を見て、向は『表情筋どうやって鍛えてんの?』とまたからかうような返答をする。


「誰が表情筋インストラクターだ!!」
『ははは、いいじゃんそれ。表情筋ヒィロゥ、インストゥラクトゥー』
「腹立つ言い方すんなやブッ殺すぞ!!!」
『ははは』


いつも通りのテンションで会話をしているうちに、職員室にたどり着いた。


「あぁ、二人とも。君たちは職員室に呼び出されていたな」


丁度職員室から出てきた飯田に、声をかけられた。
向はすっかり体育祭での怪我が治っている飯田の顔をじっと見つめた後、一言返事を返す。


『天哉、少し話があるんだけど』
「ん?あぁ、もしや体育祭での告白の返事か?」
「は?」
『あっ』
「ム?」


向はハッとして、硬直した後。
驚愕の視線を向けてくる爆豪と、不思議そうに返事を待っている飯田に視線を走らせた。

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