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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第45章 らしい名前をつけましょう




体育祭明けの木曜日。
少しだけ日が空いて、学校でまた顔を合わせた生徒たちの間では「この休み何してた?」という当たり障りない会話から、「ヒーロー殺しまた出たってよ」なんて物騒な話題が飛び交っていた。


「おはよう」


HRの予鈴と共に教室に現れた相澤を見て、まるで訓練された名犬のように、全員が一斉に席へ着き、教壇へ注目する。


「相澤先生包帯取れたのね、良かったわ」
「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。んなもんより今日の「ヒーロー情報学」ちょっと特別だぞ」


(ヒーロー関連の法律やら…只でさえ苦手なのに…)
(特別!?小テストか!?やめてくれよ〜…)


ハラハラとして相澤の言葉を待つ切島と、上鳴がそんなことを考えているのと同時。
爆豪は空席のままの隣の席を見やり、先に説明しろや、という不満げな視線を相澤に送った。


「…向は、遅刻の連絡を受けてる。聞いてるやつもいるだろうが、昨日、何者かによって向が駅のホームから突き落とされた。敵連合が関わってるのか、はたまた私怨か…詳しいことがわかり次第追って連絡する。とりあえず、おまえら小学生じゃないんだからこんなこと言いたくはないが、単独での登下校は避けろ。まとまって、寄り道せずとっとと帰れ。次、今日のヒーロー情報学の内容は」


「コードネーム」、ヒーロー名の考案だ。
事件に巻き込まれたクラスメートの話の後に、つらっと告げられた期待膨らむ授業内容。
そのアメとムチに黙っていられる生徒はおらず、クラスはワッと大きな盛り上がりを見せた。


「胸ふくらむヤツきたああああ!!!」


体育祭の結果がそのまま反映される、プロからのドラフト指名。
その指名が本格化するのは2年生以降だが、1年生に対しても事務所からの指名はやってくる。
プロヒーローから与えられるプロヒーローの卵たちへの「興味」、将来が約束されるわけではないが、プロを目指すなら多くの視線を集めたい。


「で、その指名の集計結果がこうだ」


「指名数」となり、一目瞭然の数値として表された大人たちからの期待を目の当たりにして、生徒たちはそれぞれ思い思いの反応を見せた。
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