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風向きが変わったら【ヒロアカ】

第19章 布石に定石




スタートコールがかかった直後、B組の鉄哲チームと、A組の葉隠チームが緑谷達の方へ突っ込んできた。


「実質1000万の争奪戦だ!!」
「はっはっは!緑谷くんいっただくよー!」


追われし者の宿命…。
ボソリと呟いた前騎馬担当の常闇の言葉を、左後方担当の麗日はかっこいいと感じたのか、「サダメ…!」と繰り返す。


「選択しろ緑谷!」
「もちろん!!逃げの一手!!」


緑谷が進行方向へと腕を振った時、鉄哲チームの前騎馬を担当していた生徒が、緑谷チームの足下を睨みつけた。


「けっ…!」


直後、硬い地面だったはずの足下が沼のように沈み込み、騎馬の身動きが取れなくなる。


「沈んでる!あの人の個性か!向さん!」
『あいよ!』


軽い反応を返した右後方担当の向が、個性を発動。
緑谷チームは、迫り来る2チームの騎手を軽々と飛び越す跳躍をしてみせる。


「耳郎ちゃん!!」
「わってる」


そのまま逃げようとする緑谷チームに、葉隠チームの前騎馬担当である耳郎が、イヤホンジャックで追撃を行う。
背後からのその攻撃に、常闇のダークシャドウが反応し、迎撃する。


「いいぞダークシャドウ、常に俺たちの死角を見張れ」
「アイヨ!!」
「すごいよかっこいい!!僕らに足りてなかった防御力…それを補って余りある全方位中距離防御!!!すごいや常闇くん!」
「選んだのはお前だ」


着地するよ!
という麗日の合図で、向は麗日一人のみに、地面との衝突を防ぐベクトルを展開。


『お茶子!』
「あいよー!」


楽しげに返事を返した麗日は、向の呼び声で、麗日を除いた、自身を含める三人の無重力を展開。


「機動性バッチリ!すごいよ、向さん、麗日さん!」


麗日の個性、「無重力」は麗日本人を浮かすのは勝手が違うらしく、一度使っただけでもゲロ必至。
無理を押して何度も自身を浮かすことは、出来るには出来るが負担が大きい。
対して向の個性、「ベクトル変換」は自分自身にも有用で、むしろ自分自身のベクトルを操作する方が本人曰く、「気疲れしない」。
しかし無重力状態の「地球の引力も遠心力もない」対象相手には、大量の演算と時間を要する。

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