第18章 ずっとかさぶたのまま
僕の名前は緑谷出久。
雄英高校ヒーロー科、1-Aに所属している。
偶然と奇跡が重なり、なんとか第1種目の予選を1位通過することができた。
そこまでは、よかったんだけど。
「予選通過1位の緑谷出久くん!持ちP1000万!!」
主審のミッドナイト先生が、予選通過者、計42名が第2種目の騎馬戦に参加できることを伝えた後。
この騎馬戦では、先ほどの障害物競走最下位の42位から5点ずつ各自持ち点が与えられる、という騎馬戦のP方式を説明した。
(……ん?あれ?1000万?あれ計算が合わないぞどうして僕だけ1000万!?桁違いもいいとこじゃないか!!)
「上の奴ほど狙われちゃう、下克上サバイバルよ!!!」
嬉々として騎馬戦の説明を行うミッドナイト先生の話を聞きながら、みんな視線を僕から外さない。
悪い意味で注目されることには慣れているけど、中学の時から浴び続けた周囲の視線とは、全く違う。
みんな、僕のPを狙いにくる
(…ラッキーで立ったような刹那的なトップの座。それでも…それでもこんなに重いのか!!)
周囲の刺すような視線が、僕の体に重くのしかかる。
「制限時間は15分。振り当てられたPの合計が騎馬のPとなり、騎手はそのP数が表示されたハチマキを装着!終了までにハチマキを奪い合い、保持Pを競うのよ」
ルール説明を終えたミッドナイト先生が、片手に持っていたムチを振った。
「それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
(P数は僕の場合あまり関係ない…!組んで欲しいのは…あの人と、あの人……それから)
あの人。