第1章 出逢い
私の力は、その者から記憶を消す事が出来るらしい。
失恋したこととか、嫌なこと一部分を消し去る事も出来れば、今までの記憶全てを消すって事も出来る。
人じゃなくても、動物や物でも記憶があるもの全てだ。
私は、この力が嫌で仕方がない。
良いにしろ悪いにしろ、それはその者が生きてきた証なのだから。
こんな私が、はたして力になるだろうか…?
きっと、何にも力になら無い。
すると、突然琥珀が顔を覗きこんできた。
琥珀
「まぁ、君に拒否権は無いんだよ。これは絶対命令だから」
珊瑚
「え?!…ちょ、ちょっと琥珀さん?」
私の手首を掴むと、無理矢理引っ張り歩きだした。