第2章 日常
手紙を開くと、生前にお婆さんが書いたものだろう。
残された家族への愛情が沢山綴られていた。
こっちまで、心が暖かくなる。
琥珀
「これは届けないとね…。」
3人で頷いていると、お店のドアが開き、紫黒が陽気に入ってきた。
紫黒
「よぉ!仕事おつか…………ゥ゛ワッッ!!」
珊瑚・琥珀・桔梗
「…???」
紫黒が驚くのも無理はない。カウンターの上には首と身体が離れたフランス人形があるのだから……。
今までの流れを知らない紫黒は「3人してお人形さんの首、もいじゃうほど病んでるの?」とか、「店にいない俺のせいか?」とか、勝手に一人で落ち込みだし、私達を困らせた。
珊瑚
「……これで……良しっと♪」
フランス人形を元通りにして、店の窓辺に置く。
大きな青い瞳がライトでキラキラと光ってる。まるで、次の買ってくれる人を待っているかのように……。
これが、アンティーク雑貨屋 もう一つの仕入れ方法だ。