第11章 教育実習の時間
元教え子であり、理事長先生に憧れて教師を目指している西川先生。
理事長先生の隣には常に西川先生の姿があった。
私は、彼女でも、恋人でも、何でもない。
ただの、いち生徒だ。
あんな事が今はまるでなかったかのように理事長先生からは何の音沙汰もない。
放課後、ひなのが私に言う。
ひなの『ちょっと喋ってから帰ろう!』
ひなのと裏庭に行く。
ひなの『まぁ、なんか悩んでるでしょ。私には分かるよ!力になれるかは分からないけど、ちゃんと話して!ね!』
ひなのにはかなわないな。
『ひなの…。私ね…、多分理事長先生が好き…なの。
ありえないよね。理事長先生は、結婚してて、浅野君のお父さんで…私の倍以上年上なのに…。』
ひなのは黙って私の話を聞く。
ひなの『いいんじゃないかな?好きって気持ちは、自由だよ。だから…浅野君や、浅野君のお母さんを傷つけなければ、まぁのその気持ちは大事にしてほしい。
伝えるだけならぜーんぜん、いいんじゃない?』
『ははッ…。ひなのパワーはすごいなぁ!ありがとう。聞いてくれて。』
にっこり微笑むひなのは、本当に最高の親友だ。