第2章 過去の時間
ザワザワザワーーー。
私は名門、椚が丘中学の生徒。
入学式からもう2カ月が過ぎようとしていた頃には仲の良い友達もできていた。
『まぁ、いっしょにお弁当食べよ!』
花のように私に微笑むこの子は、倉橋ひなの。
私の一番仲の良い友達。
『うんっ!』
他のクラスメイトも混ざり、女子トークが炸裂する。
女子A『聞いてー!私、彼氏できたの!』
女子B『うそー!同い年?』
女子A『それがね…10コ上で、社会人なんだ!』
女子C『うそー!どこで知り合ったの?ってか、いいのそれ?』
ひなの『なんかすごいね…。まぁは好きな人とかいないの?』
『う〜ん、いないかな。でも、こんな人がタイプってのはあるよ。』
ひなの『どんな人?』
『理事長先生みたいな…大人の余裕があって、落ち着いてて…。あんな人がいたらなって。』
ひなの『うそっ!まぁ、ああゆうタイプが好きなんだぁ。ま、確かに理事長先生、イケメンだよねぇ。
じゃぁ、浅野君の事好きになったりして。』
ひなのがニヤニヤしながら私を見る。
『浅野君…。そっか。そういえば理事長先生の1人息子なんだよね。』
そう言って、同じクラスの浅野君をチラっと見る。
確かに。雰囲気はそっくりだ。
私の視線を感じたのか、浅野君がこちらを見る。
気まづい…。目を逸らしてしまった。
私、変なコだと思われたよね…。