第1章 【番外編】チョコと経験値
薙景
「『これからも応援してます』って、伝えて貰えませんか?」
冬美
「わ、分かりました…─ヒッ⁉︎」
薙景
「?」
私からチョコを預かった直後、冬美さんの顔色が変わった。
どうしたんだろ?…まぁ、いっか。
薙景
「よろしくお願いします。では、私はこれで…」
踵を返したら、予想以上に近くに轟君が立ってた。
心なしか、いつもより目が鋭い気がする。
薙景
「あー…君がお父さん嫌ってるのは知ってるけど、怒らないでね?」
ポンポンと轟君の肩を叩いて、私は外に出た。
薙景
「また明日。…お邪魔しました」
最後に軽く頭を下げて、玄関の戸を閉めた。
さて、帰るか。
轟
(〜〜〜クソッ…!!!)
冬美
(…こんなに悔しそうな焦凍初めて見た…)