第24章 恋人の時間〜学秀オチ①〜
山道を下り切ると、人影が見える。
『赤羽に、気持ちを伝えたのか…?』
『うん…。』
学秀『そうか…良かったな。』
学秀はそれだけ言うと、後ろを向き、歩いて行く。
『待って!学秀。』
私の声に振り向かずに足を止めた学秀。
学秀『僕はまだ諦めるつもりはない。』
『フフッ…。』
学秀『何がおかしい?』
そう言って、私の方を振り向く。
『カルマにはちゃんと言ったよ…。私が好きなのは学秀だって。
好きだよ…学秀。』
学秀は目を見開き、固まっている。
学秀『本当…なのか?』
『本当だよ…。さんざん優柔不断な態度で、学秀にもカルマにも迷惑かけた。
そんな女でも…まだ好きでいてくれる?』
学秀『当たり前だ…。』
ふわりと抱きしめられる。
私より20㎝近く身長が高い学秀。彼の胸板に顔をうずめ、私も背中に手をまわす。
学秀『絶対に離さない…。愛してる…まぁ。』
『うん…。離さないで…。』
優しく触れるキスが降ってくる。