第1章 初恋
夕日が入る校舎ー
昼間のドキドキが続いてるみたいな気持ちで廊下を歩いていると
「きゃー見た?やっぱり彼女キレイだったね!」
「適わないよね…あんなに綺麗な人なんて!」
「やっぱり黄瀬くんにはあんな人がお似合いだよね!!」
興奮する声が聞こえて、そのまま去っていく。
ふと窓から校門の方を見ると…走って行く黄瀬くんの姿が見えた。
黄瀬くんを見てフワッと笑ったその人はとても綺麗で彼が隣に並ぶと、そこだけ世界が違うように見えた。
彼女と話している黄瀬くんの姿は他の人と話している時より穏やかで優しい顔で宝物にでも触れているような顔をしていた。
そんな顔させる人に適うわけない…ほら夢見てたんだ。
だから欲張りなるからダメだって…まだ引き返せるよ。
諦めなきゃ…叶うはずのない恋なんだから。