第2章 記憶の先に
錆びた階段を登り2階の奥の角部屋へ向かう。
(つーか、
何号室かも言わないで鍵だけ渡して…凄いよな)
"テクテクテク"
あの"男の霊"は俺の部屋の前でしっかり立っている。
陽炎
「……」
特に話しかけずに、
普通に"重なり"ながらドアノブに鍵を差し込むと…
(…この男…)
男と重なった瞬間、
男の死に際の映像が頭の中に流れこんできた。
明るくない室内…太いロープを手に持ち
部屋と部屋の間の梁を眺め立っている。
でも様子が変だ…
たしかに自殺をしそうな雰囲気だが本気ではないそんな感じ…
そして急に場面が切り替わり…
その男の視線は突然玄関に向けられた。
視線の先には下半身にタオルを巻いた若い大家の姿が…
(あの変態大家だ。)