第1章 カタオモイ
潔子先輩と更衣室を出ると、
バレー部の一年生メンバーも出てきていた。
あー、かっこいい。
目線の先には月島くん。
私、どんな表情してるんだろう…。
「なにか、辛いことでもあった?悲しそうな顔してる。」
「いえ、そんなことは…」
私の心を読まれたかのように潔子先輩から声をかけられた。
そして、潔子先輩は私の目線の先を見ると、きれいな顔でクスッと笑った。
「春華ちゃん、いこう。」
潔子先輩大人だなぁ。
あえて何も聞いてこない。
その辺の同級生とは、やっぱり違う。
潔子先輩の後に続いてみんなのもとへ行くと、とんでもない発言をしはじめた。
「月島、春華ちゃんのこと駅まで送ってあげて。」
「!!!!????」
大人!?潔子先輩が!?
ぜ、前言撤回でお願いします。