第8章 おれのもの
この気持ちをどうしたら伝えられるだろう…
自然と潤の頬に手を添えて自分の唇を潤のそれに重ねていた
「っ、え…!」
「わぉ♡」
「智くんてば、大胆〜♡」
「見せつけてくれるじゃないの、も〜っ」
みんなの声にふと我に返ってここが楽屋で周りにメンバーがいることを思い出す
うわぁ、なにやってんの俺っ!
慌てて潤から離れて衣装がかかっているラックに近づく
「きょ、今日の衣装はどれかな〜」
「智くん、誤魔化せないって、そんなことしても(笑)」
わかってるよ、わかってますよ!
わかってても誤魔化させてよ!
恥ずかしすぎるんだからさ!
「さとし〜♡」
むちゃくちゃ甘い声で俺を呼びながら後ろからぎゅーっと抱きついてくる
「ちょ、やめろって〜!」
「なんで、いいじゃん!もう、キスまで披露したんだしさ?♡」
「んにゃっ!み、耳元で囁くなぁ〜っ!」
耳元で甘く囁くから変な声が出た
「ありゃ、バカップルだね…」
「入る隙間ないね…」
「そーかなぁ〜?おーのさん、潤くんに飽きたらお相手するから、お声かけてね♡」
「カズ、てめっ!飽きさせねーから大きなお世話だよっ!智、とーくーに、カズには気をつけるんだよ?」
「わ、わかった、わかったから潤、耳元で囁くのやめて…っ!」
メンバーが銘々言いたいように言ってる楽屋でもう色々めまぐるしく起こって頭の中パニックだ
でもはっきりわかったことがひとつ……
くるり、と潤の腕の中で体を反転させる
「ん?どしたの??」
「なんでもない♡」
ぎゅっと抱きついて心の中でささやく
潤は、おれのもの♡
そしておれは……潤のもの♡
- end -