第8章 おれのもの
「ごめん、やりすぎた…」
「潤……加減ってもの知らないの!?」
あのあと、バスルームで智の足腰が立たなくなるまで抱き潰した俺は今怒られていた
ソファで横になる智に毒付かれる
Tシャツ半パン姿でもやっぱイイ身体してるよなぁ
なんてふしだらなことを思いながらソファ近くのラグに座って、一応言い訳をしてみる
「だって、智が可愛すぎてエロいのが悪い…」
「なっ!!俺のせいかよ!?あ、いたたっ…」
勢いよく上半身を起こそうとしてまたソファに沈む
「だって、俺のキスシーン見てシてたんでしょ?可愛いしエロいじゃん…」
テレビで一時停止されたままになっているものを指差す
「わ、わ…っ!!やめろ、それ言わないでっ!」
顔を真っ赤にしてリモコンに手を伸ばした智がソファから落ちて俺に覆い被さってきた
「こーゆーとこもエロい…」
「こ、これは、違うっつーの!腰に力入らないから…って、こら!ケツなでるな!」
ピシッとオデコを叩かれる
「いって!目の前にいいケツあったら触りたくなるでしょーよ、自然の摂理だよ」
そういう俺にリモコンでテレビを消しながら冷たい目線が送られる
その無言の圧に
「う…。す、すみません」
「よろしい」
謝ったとたんぎゅっと抱きしめられて
「やりすぎたことには怒ってるけど、し、してくれたことは嬉しかったよ…?」
ちゅっと軽く掠めるだけのキスが降ってきた
「さと…っ♡」
「けど、しばらくはお預けだね」
「えっ…」
「仕事に支障をきたしそうだしね〜」
「え、や、今度は優しくするからさ、オアズケだけは…」
慌てて取り繕うとするとクスクスと笑う恋人
「嘘だよ、俺も…潤が欲しくなっちゃう、し……」
語尾がかすんで聞こえないくらいに小さくなって赤面している
俺の前でコロコロ変わる表情
「やっぱ、かわい〜♡」
「も、はずかしいからあんま可愛いとかってゆーなよ…」
顎を掬ってキスしようとしたら空気を読まない俺の腹の虫が鳴った
「ははっ!すげー音♪もう夕方だもんな、俺も腹減った〜」
「ご、ご飯にしよっか」
「潤の作るパスタ食べたいな〜♡」
「オッケー、キッチン使うよ?」
智を抱き抱えソファに寝かせ、キッチンに向かった