第6章 渇いた心を潤して…
- 大野 side -
「ね、ねぇ翔ちゃん……おーちゃんがなんかすっごい不機嫌なんだけど……」
「あからさま、だよな…」
番組収録のセットチェンジの最中、俺はセット裏で一人うろうろと歩き回っていた
後ろで俺のことを話す二人の声も聞こえていたけど、それにつっこめるほど余裕がない俺は聞こえないふりをした
「お二人さん、リーダーの不機嫌な理由はきっとあれ、でしょ……」
ニノが指をさした方向
そちらに目を向けるとマネージャーとずっと打ち合わせをしている潤
そう、俺のイライラしている原因は潤、だ
潤は今、映画の撮影に、ドラマの撮影、それに伴う番宣、とかなりハードな仕事をしていた
一緒に住んでいる家に帰ってこれないほどに
今までも、忙しくて家を開けることはあった
けど、忙しい間にも少しの触れ合いの時間を持ってくれていたから、こんなにイライラしなかったのかもしれない
もう、一週間も……潤と触れ合えてない
収録とかでの触れ合いはある、だけど俺が欲しいのはそんなんじゃない
2人だけの時間が欲しい…
潤が足りない…
「おーのさん?そんな物欲しげな目で潤くん見て〜……やーらしっ」
「う、うるさいな…物欲しげになんか、してねーよ…」
いきなり肩に腕を回してちょっかい出してきたニノに驚いた
お、俺…そんな顔してたの?
慌ててごまかしたけど、顔に出るほどだったのか…収録中は気をつけないと……
「ね、俺が可愛がってあげよっか?」
「はっ!?何いってんだよ、バカ…や、やめろって〜ケツ触るなっ!」
耳元で囁いてきたニノから離れようとしたらムニッとケツを掴まれた
「相変わらずいいケツ〜♡」
嬉しそうにケツ揉むなっ!
「や、めろってば…っ!」
「俺も混ぜて〜♡」
「俺も俺も〜♡」
離れて様子を見ていた翔くんと相葉ちゃんまで混じってきた
脇腹とかくすぐってきて笑わせてくれる
俺の気を紛らわせてくれてんのかな…
ありがと、みんな…
三人とじゃれあい続けていた
潤がこちらを見ていることも気づかずに…