第24章 愛し、愛され
ー 数日後 ー
「はよ」
「…おはよ」
5人収録の楽屋の扉を開けると
松潤は俺たちを見ると雑誌から顔を上げた
とびきりの笑顔で。
俺たちの背後に回ってくると
肩に力のこもった片腕が乗って
もう片方の腕は智くんの肩を抱き寄せていた
「…お二人さーん…感想聞かせて?」
「は?な、なんのことだよ?」
「とぼけんなって…あの日。
使ったんでしょ?イロイロ♪」
「…使ってねぇよ」
「うっそ!本当に?」
力の緩んだ松潤から離れた智くんはソファにどかっと座った
「…本当に、使ってないの?」
頷くと俺を見つめる瞳はさらに大きく見開く
「なんだよ〜…
興味ありそうなやつばっか渡したのにな〜…」
何ラウンド目かの突入の時
シーツに俺が沈んだら中身がこぼれてきて
使っていいよ?って言ったら…
しっかり俺を目で捉えたまま
今は普通に愛したい、って。
これからもずっと一緒にいるから、
慌てる必要ない、って…
「翔くん…なになに?何思い出してんの?」
「なんでもなーい♪」
声のトーンが上がった俺を訝しげに見つめる
あの言葉だけで
全部どうでもよくなるくらい
幸せだったんだ
だからニヤけるの、今だけ許して?
「松潤!色々ありがとっ!」
「ちょっと!大野さんの顔怖いから離してっ」
慌てる松潤関係なしに感謝でぎゅーって抱きしめる
「おっはよ〜…って……何してんの翔ちゃん?」
「相葉くん!あなたもありがとうっ!」
楽屋にやってきた相葉くんにも感謝のハグをする
「(なんのことかわかんないけど)どういたしましてぇ♪」
「何してんだよ相葉さん…」
「ニノも!ありがとう〜っ」
「痛いよ翔ちゃん…っ」
相葉くんの後ろにいたニノにもハグをして
「翔くん…最後は、こっち」
ソファに座る智くんが両手を広げるからそこに飛び込む
「…2人が仲良くやってくれてるのが一番だな」
「そうですね」
「ふふ♪翔ちゃんもおーちゃんも、幸せそぉ♪」
一番の感謝を腕に込めてハグをして
スマホに手を伸ばした智くんの隣でそれをぼんやり見つめる
真っ赤な顔を隠すように俯く彼が愛おしい…
ちょっとすれ違ったりしたけど、
これからはお互いにもっと愛し、
愛されるように向き合っていこうね?
「大好きだよ、智くん」
- end -