第15章 gallant honey
- 二宮 side -
「ただいま〜…」
玄関を開けて、俺より先に帰ってるはずの智に声を掛ける
この前お願いした格好になっているはずの智がいるはずなのに何も反応がなくて
いつも通りリビングへと足を向けて
扉を開いてみるとスタンドミラーの前に立つミディアムロングヘアの智がそこにいた
ふわふわと柔らかそうに巻かれた栗色の髪
ノースリーブの白いワンピース
短めのワンピースから伸びる引き締まった綺麗な脚
「……か、可愛い…♡」
以前やっていたCM内の、あの感じのまんまで
近付くと少し垂れ気味の目がメイクで色艶を放ってて
グロスで艶々するいつもよりぽってりする唇に目が釘付けになる
「……あ、あんまりジロジロ見んなよっ…」
ふいっと顔を背けるから少し短めのワンピースから伸びる智の脚を撫でた
「ちょ、や…っ…」
こちらに戻ってきた目線に俺の目線を重ねて
「俺が智と…いや…サトコとしたいって言ったことはなんだった…?」
ほんのりピンク色のチークがのった頬に指を這わせると更に頬に色が乗って生唾を飲む
「……え、えっち…」
「俺のお願い…聞いてくれるよね?」
俺の言葉に少し潤んだ瞳が伏せられて
恥ずかしげにスカートを掴んだかと思うと静かに頷いた