第14章 『最愛』
- 二宮 side -
俺の体を搔き抱く潤くんの腕の中でそう告げたら再度強く抱き締めてくれて
「……俺も、好きだ…!ずっと、ずっと……好きだった…!」
やっと言葉で聞けたその気持ちに嬉しくなって少し体を離して顔を見上げるとお互い、どちらからともなくゆっくり顔を近づけて口付けを交わす
ただ触れるだけの口付けだけでこんなにも心が満たされるなんて…知らなかった
ゆっくり頬に添えられた手に体を少し離すとまた見つめあって
潤くんも俺と同じ気持ちだったのかまた触れるだけの口付けをくれた
「……幸せ過ぎて、夢じゃない、よな…?」
しばらくして離れた唇がそんなことを言う
いつも自信満々で強気の潤くんのその発言に可笑しくなって、クスッと笑ってしまった
「わ、笑うなよ…っ…」
「だって……ふふっ…これで、夢じゃないって…わかる?」
疑ぐる彼の手を取って俺の胸にその手を当てる
ずっと早く脈打つ俺の鼓動に現実のものだと知らせると俺の大好きなアーモンドアイがまた細められて、微笑んだ
「本当だ…」
「…素敵なプレゼント…くれて、ありがとう」
俺のその言葉に少し不思議そうな表情に変わった彼にきちんと意味を伝える
「潤くんの特別な気持ちを…俺にくれて、ありがとう」
最愛の人の手を握って35歳の1日目が始まった
- end -