第2章 秘密のレッスン
- 大野 side -
「そこで、左手を腰に当ててこう…あ、そうそう」
「こう、ね?オッケー…で、次は?」
新曲の振り入れのために事務所のレッスン室で潤に振りを教えている俺
潤の斜め後ろに立ち、鏡越しに動きを披露しながら振り入れしていく
多忙を極めている潤だけ完全には覚えきれていなかったから、ここを貸してもらって2人でレッスンをしていた
「くっ、結構キツいな…この動き…っ」
「ほら、ちゃんとそこは腰グラインドさせて?」
ジャージ姿の潤も色っぽい…
俺の恋人でもある潤が俺の振り付けを反芻しながら踊っている
汗をにじませながら必死に踊る姿は、とてもカッコよくてすごく……セクシーだ
いつも、あの腰の動きに翻弄されてるんだよな…
自分で振り付けした動きをしている潤を見て、昨夜のことが思い出される
ベッドの上で額に汗にじませて、俺の上で必死に腰を送る潤の姿が脳内をフラッシュバックした
思い出された情事に反応した俺のもの
反応したのをバレないように少し前屈みの体勢を取って感情を切り替えようと頭を左右に振ってごまかす
「ふぅ…」
ひと息ついて顔を上げると、鏡越しに目線があった潤が不思議そうな顔をしていた
「智?どしたの?」
「な、なんでもない…続けて?」
必死に誤魔化して振り入れを続けた