第14章 心の行方
❁❁❁ 大和side ❁❁❁
三「明日はとうとうツアーに出発する日かぁ。おい一織、今更だけど学校の方は大丈夫なのか?2ヶ月もあちこち行くだろ?」
一「それなら大丈夫です。私たちが通っている学校は、芸能活動をしている生徒が他にもいるので問題はありません。それより七瀬さん、常備薬を持ち忘れたりしないで下さいよ?」
陸「言われなくてもちゃんと準備したって!昨日までに分かりやすくまとめてカバンに入れたし!」
事務所の一室で、メンバーそれぞれが明日から始まるツアーの事を話してる。
いろんな事があって、ようやくここまで来れたんだから考える事も思うこともあるだろうけど。
今のところオレが心配なのは・・・
壮「失礼します!環くん、準備は出来てる?!そろそろ出ないと・・・」
環「今やってんから、ちょい待って」
壮「まだ出来てなかったのか・・・僕も手伝うから早く!・・・電車間に合うかな・・・ほら、環くん急ごう!」
環「わかったって!ちょっ、そーちゃん引っ張んなって!」
バタバタと慌ただしくソウが飛び込んできたと思えば、来た時と同じように慌ただしくタマを連れて出ていく。
これがオレの、今の1番気掛かりなとこで。
陸「2人とも大丈夫かなぁ?壮五さん、最近あんまり顔色良くない気もするし」
一「七瀬さんは人のことを心配してる場合ですか」
陸「いちいちうるさいぞ一織!」
また始まった・・・イチはリクの体調の事に関しては誰より敏感になってるからな。
ひと足早くソウとタマはMEZZO"として活動していたのに、アイドリッシュセブンとしても仕事が増えたし、タマはまぁ・・・あんな感じだし?
傍から見ててもソウの負担が大きいのはよく分かる。
なんとかしてやらないと、このままじゃ・・・
けど、オレらが出来ることは多くはないだろうし。
そう考えながら顔を上げれば、ちょうどマネージャーが部屋に入って来るのが見えた。
「マネージャー、ちょっといいか?」
紡「はい、なんでしょう?」
持ってきた資料をテーブルに置いて、マネージャーがオレの所まで歩いてくる。
「ひとつ、相談なんだけど。MEZZO"にマネージャーを1人つけることは出来ないのか?タマはともかくとして、タマの管理をしてるソウは負担が大きいだろ?そろそろ限界なんじゃないかと思ってさ」