第13章 デビュー会見と、そして・・・
『社長、ありがとうございます!私、社長のおかげで頑張れちゃいそうな感じがします!えっと・・・や、やったぁ!・・・でしたよね?』
小「そうそう!あと、小鳥遊社長大好き!ってのも忘れずにね?」
『小鳥遊社長、大好・・・社長!それさっき言ってなかったやつですよ!』
釣られて言ってしまいそうになるのを止めて、もう!と加えれば、その場はもう普段と変わらない空気に色付いていた。
順番が来るまでの間、社長と歓談しながら控え室でゆっくりと過ごす。
化粧品の・・・と言うだけあって、カメラテストの前はメイクを落として置くように指示が出されてはいるけど、そもそもここへ来る時にはメイクしないで来たから時間には余裕がある。
ノーメイクでの肌の状態をチェックされ、その後に当該化粧品を使ってメイクさんに施されてカメラテストって言うのが今回の流れで。
肌の状態に関しては、姉鷺さんからのお勧めと指導があるから、別段これと言って問題はないと思うし。
私よりキメ細かい肌なんじゃないか?という姉鷺さん直伝のスキンケアしてるから、きっと大丈夫!
本来は男性である姉鷺さんの方がそういった事に詳しいっていうのも、女子としてどうなんだろうと思うけど・・・まぁ、気にするとへこむから今は考えるのやめとこ。
ひとり乾いた笑いを漏らした所に、控え室のドアがノックされる。
「佐伯さん、お待たせしました。ご案内致しますのでこちらへどうぞ」
迎えに来たスタッフさんがきちんとスタッフパスを提示しているかをチラリと確認して社長の顔を見た。
『ありがとうございます』
社「僕も同行していいかな?」
私と同じようにパスを確認した社長が、スタッフさんへと訪ねた。
「あ、はい・・・女性の同行者の方はお通ししていますが、その・・・かなり際どいラインまで肌を露出して頂く事もありますが・・・」
化粧品関係なんだからデコルテラインまではって、事なのかな?
でも、社長の場合って時代物の撮影の時だって立ち会ってるんだから私としては気にならないし。
『それなら私は大丈夫です。社長、よろしくお願いします』
以前の事があってから出来るだけそばにいると言ってくれた社長に言って、2人でスタッフさんの後に続いた。