第9章 ふたりぼっちのスタート
一「ご馳走様でした」
三「もういいのか一織?」
一「えぇ、いつも美味しい食事をありがとうございます···私は学校の課題がありますから、部屋に戻ります」
あの日の翌日、社長は四葉さんと逢坂さんの2人を呼び出し···予定通りのデビューを決めた。
それからと言うもの、一織さんはどことなくピリピリとしていて。
こうやってみんなで揃っての食事の時間も、いつも誰より早く食べ終えては部屋に籠るという日々を繰り返していた。
陸「一織、まだ気にしてるのかな···」
ポツリと零す七瀬さんの言葉に、誰もがどう言葉を返そうかと迷っては、誰も何も言わずにまた食事を続ける。
空気が···重い。
『あ、そうだ!四葉さんは一織さんと同じクラスでしたよね?だったら四葉さんも課題、あるんじゃ?』
なにか話題を···と思ってたのに、私が言える事はそんな事位で。
環「ん~···ある、けど。どうせわかんない所だらけだから、別にいい」
壮「ダメだよ環くん。分からない所があるなら僕が教えてあげるからちゃんと課題やらないと···ね?そうしよう?」
日頃からお勉強となれば面倒がったり、苦手な科目だと放置したりするのを知っている逢坂さんが助け舟を出す。
環「そーちゃんが?う~ん···でも眠いし···」
大「タマ。これからの活動を考えたら、そういうのはちゃんとやらなきゃダメだぞ?」
面倒臭い···という空気を醸し出す四葉さんに、二階堂さんまでが説得に出て来た。
この場合、仕方ない···かな?
『四葉さん?私も逢坂さんと一緒に見てあげますから、ちゃんと課題やりましょう?どうしても眠くなったら、休憩しながらやれば大丈夫だから』
四葉さんのお勉強はこれまでも何回か付き合ってるから、眠くなったり飽きてしまった時の対処法は逢坂さんと慣れてるし。
環「マリーが教えてくれんなら、がんばる」
壮「環くん···僕だけじゃダメなんだね···」
大「あ~···まぁ、タマもその辺はちゃんと男だって事だな」
ナ「マリー?今度ぜひ、ワタシと愛のレッスン···しませんか?」
ウインクを振り撒きながら言うナギさんにやんわりと断りを入れて、課題やるなら早くご飯食べちゃいましょうか?と四葉さんに笑いかけた。