第7章 予期せぬ出来事
ハプニングに見舞われた衝撃のライヴから数日、テレビ中継の成果もあって逢坂さんと四葉さんは街中を歩けばファンの女の子に声を掛けられるという日々を送っていた。
そして、私はと言うと。
『···ックシュン!』
あぁ···なんだかダルい感じが抜けない。
今朝から節々も痛いし、熱でも出たらヤバイよなぁ。
陸「愛聖さん、大丈夫ですか?さっきからくしゃみ連発してますけど···」
『え?あ、あぁ、うん、大丈夫。誰かが噂でもしてるのかも?』
もしも風邪とかなら、七瀬さんの近くにいるのはダメだよね?
···一織さんに怒られちゃうし。
大「ホントに大丈夫なのか?こないだだって雨でズブ濡れになってたし。それに、ライヴが終わってからオレが約束通り熱いハグ&キスをって言ったのに頑なに遠慮するし?」
『あれじゃ誰だって遠慮しますって!』
にやりと不敵に笑う二階堂さんに即答しながら、あのライヴの後の事を思い出してしまう。
ライヴが完全に終わり、みんながステージから降りてきた時、万理に凭れ掛かる私を見たみんなが···
ナ「Noーーーー!マリー?!ワタシという者がありながら、なぜバンリにハグされてますか?!」
三「そもそもナギのじゃねぇだろ!」
紡「大神さんと愛聖さんは、社長公認の仲良しですから」
紡さん···社長公認の仲良しって、どんなですか···
壮「そう言えば愛聖さんは僕たちのライヴのチケットを購入して、お客さんとして会場にいたんですよね?」
『えっ?あ、はい···』
一「あの一瞬で完売になってしまったと言うのに、なんのコネもなく自力で購入して頂いたお礼をしなければなりませんね」
あ、なんかヤバイ流れになってきた···
陸「お礼って、オレは何をしたらいいですか?なんでも言って下さい!肩揉みでもマッサージでも、オレ、なんでもやります!」
一「七瀬さん、相手が女性であると言うことをお忘れなく。1歩間違えればセクハラで訴えられますよ」
『その辺はいろいろと慣れてるので大丈夫です』
だってそれ位で訴えるようなら、千は今頃···とてつもない犯罪者ですよ。
···あと百ちゃんもね。
大「へぇ~?それならオレがグループの代表として、すっごい期待されてるハグ&キスでもお届けしましょうかね?」