第21章 ココロ、重ねて
千「愛してるは、愛してる・・・だと思うけど?ほら僕、愛聖となら結婚してもいいって思ってるくらい愛を振り撒いてるからね」
うわ・・・またいつもの出た・・・
『私となら、か・・・私は佐伯 愛聖じゃなきゃダメなんだ!位の人と結婚したいけどね?憧れるよね・・・愛し愛されるふたりが神様の前で永遠を誓うのとか。でもまだ結婚なんて考えてないよ、お仕事楽しいから』
千「そんなこと言ってるうちにお嫁に行きそびれておばあちゃんになっちゃうんじゃない?」
『そうかもね~。けど、そしたらそれはそれで例えおばあちゃんになっても佐伯 愛聖じゃなきゃ嫌だって愛を叫んでくれる人と結婚するから』
龍「愛聖だったら、きっとおばあちゃんになってもキュートでいると思うから、引く手数多かもね」
千とのやり取りを側で聞いていた龍がそう言って笑い、ほら!龍だってそう言ってるじゃない!と千の肩をバシバシ叩けば、千は笑いながら私の手を掴む。
千「それなら僕も、そのキュートなおばあちゃんに気に入られるようにジェントルマンなおじいちゃんになろうかな」
『・・・ないない、千がジェントルマンなおじいちゃんなんて想像つかない。千はきっと、無愛想にお茶入れて来いだとか、ご飯はまだか!とか、ひねくれたおじいちゃんまっしぐらだよ』
千「ご飯はまだかは絶対ない。愛聖が作るご飯より、僕が作った方が長生き出来ると思うけど」
う・・・確かに。
どうだ参ったかと言わんばかりの千の微笑みに、悔しくも返す言葉が思い付かない。
やっぱり三月さんにお料理習わないと先々困るよね・・・私、リンゴもうさぎさんに出来ないし。
今は三月さんや逢坂さんが中心になって食事作ってくれたりしてるけど、ずっと一生それに縋って行ける訳ではないし。
『やっぱり料理・・・作れるように勉強しなきゃホントにお嫁の貰い手がないかも・・・頑張ろ・・・』
苦々しく呟いた言葉に無理は禁物だと千が高々と笑い、それを見た龍も戸惑いながら笑って、少しずつ出来るようになるといいねと私の肩に手を乗せた。