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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第21章 ココロ、重ねて


『胃痛と頭痛がいっぺんに起こりそう・・・』

考えるだけで頭がパンクしてしまいそうだと笑いながら、そんなプロジェクトが自分の知らないところで進められていただなんて驚きだよ、と小さく息を吐いた。

『それよりも、今やれる事を優先しないとですね。さっき監督から聞いたんですけど、今日は原作者の方が見学に来ているらしいのでちゃんと演じられるように台本を見ておかないとです』

小「そうだね。この撮影所で組まれているセットは病院が主だからら、恐らく十くんもいたし、撮影するならその辺りのシーンだろうね。一応、念の為に僕も確認して来るよ」

『お願いします。それじゃその間はここでお湯を沸かしながら、おとなしく台本と睨めっこしてますね』

戻ったら美味しいコーヒーを一緒に飲もうね?と微笑んだ社長は、ちょっと出てくるけど誰かが来ても着いてったりしないようにと言い残して控え室から出て行った。

『子供じゃないんだけど、それもあの事があるからなんだろうな・・・』

以前起きたテレビ局での事が頭を過ぎり、その時感じた恐怖に思わず身を固くする。

楽のおじいちゃんのお店でも見掛けたあの男の人・・・そういえばどうやってテレビ局の中に入ったんだろう。

本来ならばIDカードがなければ出入り出来ないはずだから、それを考えるとやはり・・・手引きした人間がいるってことになる。

奏音さんがその当事者だとしたら、今後もそういった事に遭遇しかねない。

今回の撮影には奏音さんは演者として入ってないけど、どこでどう関係者と接触しているか分からない不安もある。

『ダメダメ!余計な事は考えない!集中しなきゃ!』

パンっと両頬に制裁をして深呼吸を繰り返し、目の前の台本のページを開いてはセリフひとつひとつを確認するように文字を追った。

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