第19章 魔法のコトバ
千「で、これが新しい衣装なんだけど」
あれから2週間程経って、いよいよNEXT Re:valeに出演する日程も決まり個別打ち合わせと称した、いわゆる千からの呼び出しがあって私は岡崎事務所へ社長と一緒に来た。
千や百ちゃんはウチの事務所へ行ってもいいって言ってたけど、それはそれでまぁ、こちらにも事情があるし、スケジュール的に私たちが岡崎事務所へ来るのはなんの問題もないからと社長が提案して来た訳だけれども。
千「愛聖があのままじゃ不都合が多過ぎるって拗ねるから、出来る限りリテイクして仕上げた感じだけど・・・はい、着てみて?」
『着てみて?って、今ここで?!』
千「そうだよ?別に僕は愛聖がここで裸体になろうと気にしないし、そもそもお互い見慣れてる。恥ずかしがるような仲でもないだろ?」
『あるよ!それに誤解を招くような言い方やめて!』
いつどこでお互いそんな姿を晒し合ったの!と抵抗すれば、岡崎さんが更衣室の代わりにが空き部屋を案内しますと笑い、お言葉に甘えて千から衣装を受け取り後を着いていく。
岡「あまり広い部屋とは言えませんが、こちらをお使い下さい。あ、自分は佐伯さんの身支度が整うまでドアの前で千くんたちがイタズラしないように見張ってますから安心して下さい」
『お願いします。絶対あの感じだと乗り込まれる気がしないでもないので』
岡「えぇ。この岡崎凛人、命をかけてでもこのドアは死守します」
そんな命懸けで守らなくてもと笑い返しながら、なるべく早着替えしますからと静かにドアを閉めた。
岡崎さんは広くなくて申し訳ないって言ってたけど、普通にちょっとした個人の部屋くらいの広さはあるから、ここで着替えるのは問題なく済みそうだと衣装が入った袋を紐解いていく。
っていうか、なにこれ!!
確かに以前の物よりは素材の質感もデザインも少し変更されているけど、それでもまだ着るのに抵抗したくなるようなデザインである事には変わりない。
デフォルメされたネコ耳は、前より随分大きめに変わっていて。
シッポももっとふわふわと揺れる軽い素材に。
シースルーなフードパーカーは、透け感はあまり変わらないものの肌が透ける程度の色がついている。
のはいいけど!!
中に着る物はまるでビキニのような露出になっていて、しかもホットパンツは変わらず。