第16章 動き出した真相
環「指きりげんまん、ウソついたら針・・・王様プリン100個買ってもーらう、指きった!」
『針千本じゃなくて、王様プリン100個・・・』
環「だって針千本とか飲むの、痛いし」
陸「・・・確かに痛そう」
七瀬さんがそう言って、オェ~っとなりそうな雰囲気を見せる四葉さんに、思わず笑い出してしまう。
針千本じゃなくて王様プリンを選ぶあたり、四葉さんらしくてなんだか・・・
『・・・かわいい』
一「え?」
『え?あ、今のはその、一織さんがどうとかではなくて』
ほんのちょっと漏れてしまった言葉にいち早く反応した一織さんが、ピクリと眉を動かして私を見る。
一「だいたい予想はついてますよ。大方、王様プリンをと言う四葉さんがって事なのしょう?」
『そうですね。でも、一織さんも同じですよ?』
一「何度も言いますが、私に可愛さは必要ありません」
まだみんなには公にしていない秘密を擽れば、あからさまにため息を吐かれてしまった。
一「寧ろ、そういった物は私よりも兄さんの方がピッタリじゃないですか」
三「おい一織・・・聞こえてっからな。オレにだってかわいさは必要ないんだよ!あ!お前いま笑ったな?!」
『アイタっ・・・三月さん、デコピンやめてください・・・』
いつもの日常。
いつものリビング。
そしていつもの、賑やかな時間。
それを肌に感じて笑うと、ふくれっ面の三月さんから久しぶりの制裁を貰いその場所を軽く押さえ込む。
ナ「oh・・・ミツキ、レディーにそれはイケマセンね・・・マリー?今すぐワタシのキスで痛いの飛んでけをしてアゲマス!」
『えっ?!あ、だ、大丈夫です!そしてナギさん顔!顔近いです!』
三「どさくさに紛れて何しようとしてんだナギはっ!ほらこっち来い!」
ナ「NOOOO!!ミツキ!耳!耳引っ張らないでクダサイ?!」
大「あ~コラコラ!あんま騒ぐなよ・・・時間考えなさいっての」
さっきよりも一段と賑やかになる空間が心地よくて。
私自身に渦巻き始めている何かを解決して、早くここに戻りたい。
そう思う側で、夜が更けていった。