第1章 出逢い×事件
俺たちの出逢いは高校生の頃。
俺は那智とヴォルフのメンバーで
走り回ってた時だった…
アイツは毎日同じ駅から同じ友達と
学校へ行っていた…
学校なんて俺には何もない場所で…
そしてアイツの着てた制服は
ここらでは有名なお嬢様学校…
全くもって関わり合うなんてないと思ってた。
あの時までは…
それはいつも通り駅の近くで
那智達と他愛のない話をしてウロウロしてた時…
桜『あの…落としましたよ?』
臣『ん?あぁ…悪いな』
那智『お前拾ってもらっといてその態度か?』
臣『那智に言われたくねーよ』
桜『えっと…じゃあ私はこれで…』
そう言ってアイツは俺達に背を向けた。
アイツの立ち去る姿を少しの間見てると
突然振り返り笑顔で言った…
桜『バイク、気を付けてくださいね!後ケンカも!』
その笑顔に何故か俺も那智も動けなかった…
きっとその一瞬で俺達は
アイツを好きになったんだと思う。
だからといって那智と取り合うとか
全くそんなじゃなくて純粋に
アイツと一緒にいたいと思ったんだ。
それからは俺達から声をかける事も増えていった…
名前も連絡先も教えあって
普通に仲良くなっていってたと思う。
アイツの友達も最初は怪訝そうにしていたが
アイツを信用してるからか
俺らと話しても何も言わなくなった。
那智『そうだ!今度3人ででかけようぜ!』
臣『突然だな…(苦笑)』
桜『でも私も行きたいな!』
那智『決まりだな!休みの日にツーリングだ!』
桜『でも私バイク…』
那智『俺が乗せてやるよ!』
臣『いや、那智より俺の方が上手いだろ(笑)』
那智『はぁ!?』
桜『もう!ケンカするなら行かないからね!?』
俺達が言い合いになると間に入るのは
いつからかアイツの役目になっていた…
桜『どーするの?言い合いやめる?』
臣『分かった(苦笑)やめるよ』
那智『臣は桜に言われたら静かになるな(笑)』
桜『なーちー!?』
那智『わ、分かったって!』
そして3人で笑い合って…
ずっとそれが続くと思ってた…
でもある日事件は起きた…