第3章 苦悩×光
それから1ヶ月くらいたった雨の日。
俺は駅から寮への道を歩いていた。
臣『やっぱりバイクで行かなくて正解だったな…』
そう呟いた時前から来た人にぶつかった。
臣『わっ!すみません!』
ぶつかった反動で座り込んでしまった人に
俺はしゃがみこんで手を差し伸べた時
顔を上げたその人を見て固まった。
臣『桜…?』
一気にあの事件へ記憶が引き戻されたかと思うくらい
目の前の桜はボロボロだった。
服は所々破れ顔は殴られたのかアザと
唇からは血が出ていた。
一瞬にして血が逆流する感じがした。
怒りと悲しみで自分がおかしくなりそうだった。
何度か桜の名前を呼んだ時
やっと俺の声にアイツは答えた。
桜『臣…くん?』
臣『何があった!?』
桜『……て』
臣『え?』
桜『たす、けて…』
臣『…っ!』
俺は桜を抱きしめていた。
雨に濡れる事も忘れてただただ
壊れてしまいそうな桜を抱きしめていた。
ガチャッ-
いづみ『おかえりーって臣くん!?びしょ濡れじゃない!!それにその子…』
臣『監督…とりあえず何も聞かずにこいつを風呂へ…頼む…』
いづみ『分かった。臣くんも早く着替えてね』
臣『あぁ…』
俺達のバタバタが気になったのか
何人か談話室から出てきた。
一成『おみみびしょ濡れじゃん!』
東『珍しいね?』
椋『わータオルタオル!』
臣『悪い…』