第9章 社内での密事
一度動きを止めた先輩は、私を背中から抱き締めるようにして口の中へ2本指を入れてきた。
私の声が漏れないようにする為だろう……そう思っていたのだけれど。
「なぁ…俺のだと思ってしゃぶってみて」
「っ…」
そんな厭らしい事を囁きながら、私の口に含ませた人差し指と中指で舌を撫でてくる。
恥ずかしい行為のはずなのに、最早まともな思考回路を持ち合わせていない私は素直に従い彼の指を必死にしゃぶった。
会社で先輩とこんな事をするなんて…
今だって部屋の外の通路には他の社員がいるかもしれない…
そう思うと罪悪感を覚える反面、余計に興奮している自分がいるのも確かだった。
「…気付いてる?さっきよりも俺の事締め付けてんの」
「…んっ、ふ……」
「お前ってこういうシチュエーション好きなんだ?」
「っ…」
否定をしたくても体が言う事を聞かない。
先輩にはしたない女だと思われてしまっただろうか…
けれどそんな心配をよそに、彼は緩く腰を動かしながら甘い声で囁いてきた。
「ホント可愛いな…ッ…、もっと乱れてみせろよ…」
「んっ、んぅ…っ…」
「…はぁっ…、今は俺の事だけ考えてっ…」
「っ…」
まるで悪魔のような囁き…
心も体も彼に掻き乱される。
徐々に律動のスピードも上がり、上手く立っていられなくなった私を先輩が後ろから支えてくれた。
「ほら…俺に背中預けろ」
「……、」
私の口から指を引き抜いた彼は右手で私の片脚を持ち上げ、もう片方の手をお腹の辺りに回してくる。
「口は自分で押さえろよ?」とからかうように言われ、私は声が漏れないよう自分の口元へ手をやった。
「んっ、んっ、んぅ…っ…」
下からズンズン突き上げられる。
気持ち良すぎてもう何も考えられない…
耳元で乱れた彼の吐息を感じ、それがまた私の興奮をより煽った。
「…お前の中っ…、気持ち良すぎ…ッ…」
「んぁっ、んっ…」
先輩も私と同じくらい感じてくれている…
そう思うと嬉しくなって…
「先輩…っ、」
「…イきそう……?」
「んっ…!」
こくこくと必死に頷く。
先輩に顔を上げるよう促され彼の方を見上げると、唇に優しくキスをされた。
(だめ…、もうイっちゃう…!)
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