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あの柚子の実がなる頃に。
第6章 心の扉 颯side
話をそらしたくて、逆に聞き返す。
「柚子稀ちゃんは?
あの2人は、どんな人?」
『大好きです。
パパとママは、ずっとそばにいてくれる。
何があっても、こんな私でも。
ずっと、変わらず愛してくれる。
かっこよくて、優しくて、でも厳しくて。
私の誇りです。2人は』
2人に出会ってなかったら、今頃どうなっていたんだろう。
俺に聞かせるつもりはあったのか、なかったのか。
小さな小さな声でつぶやいたその声には、
深い深い悲しみと、苦しみが湧き出ているようだった。
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