【ツキプロ】 ALIVE SOARA中心夢小説まとめ
第13章 あまくてあったかい(在原守人)
甘い匂いがする。
ふと意識が浮上した。
あれ、俺。
今日は午前中で仕事が終わるから、彼女の部屋に寄って...ドアをあけて、コーヒーを入れてもらったところまでは覚えている。座って、少し昔のドラマがテレビの画面に流れていた気がする。
眠っちゃってたんだ。
肩にかかけられたブランケットの暖かい重みに気づいて、俺はそう判断した。じゃあ、家主はどこに?
『あ、起きてる』
キッチンからひょっこり顔を出した彼女に、おはよう!と声をかけられる。
「おはよう、というかごめん。寝ちゃってたね」
『気にすることじゃないよ、お疲れ様です』
「ありがとう」
ちょっと待ってて!もう少しだから。
髪をふわっとなびかせて、彼女はキッチンへ引っ込んでいった。この甘い匂いの正体は彼女で間違いないようだ。
『はい』
「ホットケーキ?」
『そう。簡単に出来るから』
ニコニコ笑いながらシロップを垂らすと、ふんわり焼けたホットケーキがより一層輝いて見えるから不思議だ。
「いただきます」
『ふふ、どーぞー』
ふんわり1口。
柔らかい甘みが口の中にひろがって、溶けた。
「おいしい!」
『やった〜って、守人ならもっと美味しいもの作れるでしょう?』
「そんなことないよ、これは特別美味しい」
突然訪ねてきて、嫌な顔もせず。
しかも、来て早々に寝むりこけてしまった俺のためにホットケーキを焼いてくれる。
「まひる、本当にありがとう。また、つくってね」
『いくらでも』
嬉しそうに笑う顔が愛しくて、思わずキスをした。