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出演者達に休息を「番外編」

第1章 王馬くんがクッキーを作ってくれたそうです




「逢坂ちゃん、おはよー!」
『あ、王馬くん。おはよ』


下駄箱で私に声をかけてきたのは、最近仲良くなった隣のクラスの王馬くん。
彼はよく笑い、よく喋り、私を見かけると、必ず話しかけてくる。


「今日はオレのクラスが調理実習なんだー。クッキーあげるから、楽しみにしといてよね!」


闊達に笑う彼はとても同い年とは思えないほど無邪気で、愛らしい。


『くれるの?ありがと』
「その代わり、今日も研究室入れてよ。邪魔したりしないからさ」
『…うーん?…って言って、昨日も邪魔してきたよね』
「してないよ、逢坂ちゃんを手伝おうとしただけじゃん!もー、人聞き悪いこと言わないでよ」


一度、研究を見てみたいと王馬くんに食い下がられ、しぶしぶ研究棟に入れてしまったのが間違いだった。
どうやら彼は、一緒に過ごして私のことを知ろうとしてくれているらしい。
それだけならまだ可愛げがあるのだが、自分のことを知ってほしいという気持ちも強くあるらしく、マシンガントークに近い会話を作業中にぶつけてくるため、王馬くんが研究室にいる時は、作業スピードを落とさざるを得ない。

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