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幸せは君と【文スト】

第9章 過去




こいつら、が自分の壊滅させた組織だと云うのを理解するのに数秒も掛からなかった。


──そういえば、人体実験が行われていると聞いたことがあるな…

表向きは児童養護施設。


然し、裏では子供を実験台にして様々な事を行っている、というのは噂でしかないが有名な話だ。


「実験体なのか」


単刀直入に訊くと、少女は唇を噛み締めながら頷いた。


──成程。


どのような実験なのかは敢えて訊ねなかった。


代わりに、質問を重ねる。


「他の実験体は?」

「皆海外に売り飛ばされた。他は死んだ」

「お前の身寄りは」

「いない。此処に私を連れてきたのは、実の両親だから。売られたの、私」


同情したのかもしれない。

その時、フランシスは自分に芽生えた感情を意識しようとはしなかった。


ただ、自然と口にしていた。


「俺の所に来るか?」と。



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