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幸せは君と【文スト】
第6章 懐しい名
『戻るつもりはありません。探さないでください』
署名はされていなかったものの、その綺麗な字体は完全に彼女のものだった。
菜生はこの手の嘘を吐くような女ではない為、これが本気だと云う事も分かる。
まさか自分が今手に入れようとしている「モノ」の所属する組織に、彼女がいるとは思いもしなかったが──
──ストレイドッグも、ナナセも。必ず手に入れる。
男はニヤリと笑った。
日本に、行く準備を。
部下たちにそう号令を掛け、愛しい彼女との再会を心待ちにしていた。
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