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目に見えぬもの

第9章 崩壊



人間たちは相変わらず、争いを続けている。

石や棒切れで動物を追い掛け回していたのは、つい昨日のことのように側にあるというのに。


賢くなればなるほど、愚かになっていくのは、進化というものらしい。知も理も、永い永い時を経て人間が唯一与えられたものなのに、その単純さは、自分達が追いやった動物たちにも劣る。


私がここに留まって、どれくらい経ったのだろう?


一人、一人と人間が蹲る。
その隙間を抜けてみたい衝動も無くはないが、まだここで見ていよう。


蹲り、地を這い、動かなくなり、同化する。


その数さえ数えるのを諦めた頃、私の腹をくすぐる者が現れた。一人を真似て、また一人、また一人と私の腹をくすぐり始める。











この人間たちは、一体何がしたいのだろう?


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