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目に見えぬもの
第8章 理
見て回るうちに、もう1つ、分かったことがある。
人間は、争わずにはいられない種類の動物であること。
生きるためではなく、自分が強いと知らしめるために。
日が沈む前は、笑い合っていたお隣さんも、日が上れば銃を背負って殺し合う。
大きく、厭な色をした雲が膨れ上がってくる。
夕飯の匂いも、子供たちの声も、瓦礫の町から消えた。
どこまで行っても、どこまで行っても。
悲鳴と瓦礫を踏みつけて争いが続く。
ぼくは、留まってみようと決めた。
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