第33章 鬼ススキが泣く夜は
千助さん
「ノアの奴…暑さだけじゃなくて、
仕事でもイライラしてるんだよ。
許してやってな。」
火がついていない囲炉裏の側に座り、
ゆっくり話をはじめる。
美菜
「大変なんでしょうね…管理人のお仕事…」
千助
「というか…忙しくわざとしてるんだよノアは。」
そう言うと千助さんは私のふっくらしたお腹を撫でる。
美菜
「わざと…ですか?」
千助
「子供が産まれたら金がかかるだろ?
だから少しでも多く稼ぐために残業してるとか…
俺も働いてるからノアだけが頑張らなくても良いのにな。」
(ノアくん…偉いなぁ…)
千助
「だからノアのストレス凄いと思うんだ。
…だから…
美菜が良ければ…
あいつが大好きな遊郭に行かせてやって欲しいんだ。」
美菜
「え?(´・ω・`)」
(普通…そんなお願いする?
遊郭に行って良いなんて言いたくないよ…)
千助
「俺もたまに……」
(…私が妊婦だから?
私が居るから疲れるの??
それなら……)
美菜
「良いですよ。
行ってきてください。」
千助
「本当にいいのか!?
よしっ!それなら…ノア連れて今から飲みに行ってくるから!!
先に寝てなよ!」
妻として納得は出来ないけど…
この他になんて言って良いか…思いつかなかった。
千助さんは立ち上がり、
ノアくんの元へ走っていった。