第30章 恋をする、別れ
"バタバタバタバタッ…"
(青鬼さんとの待ち合わせ、
8時だったのに!)
急いで羽織を羽織って、
家の前の待ち合わせ場所に行くと…
そこには…
美菜
「………」
青鬼さんは居なかった。
そして、渡そうと思って玄関に置いていた金棒も無くなっていた。
(……はぁ……)
その場に立ち尽くしていると、
千助
「明朝…どころか夜中に金棒を持って消えたぞアイツ…」
美菜
「千助さん?」
千助さんは役人の仕事をしてきたのか正装をして、
私の背後に立っていた。
千助
「アイツはお前を迎えにきたんじゃない…
その金棒が惜しくなって取りにきただけだ。」
美菜
「そんなこと…そんなことないです!
だって、私が金棒をまだ持っているなんて分からないじゃないですか!」