第20章 ぽく
「あら、この前の…どうしたの?」
女将さんだ。
美菜
「先日は大変お世話になりました。
あの…このお着物なんですが、私にはもう必要がなくなりまして…
宜しければ"あの方"に返して頂けませんでしょうか?」
「それは構わないけど…
必要が無くなったというのは良い殿方が見つかったんですね?」
私は首を横に振った
「そう…それはとても残念ね…」
美菜
「あの、いろいろとありがとうございました。
その着物…どうか宜しくお願い致します。」
「えぇ…」
私は女将さんに頭を下げ、
店を後にした。